自然

なぜ飛行機雲は、すぐ消えるものと長く残るものがあるの?

まず答え

飛行機雲がすぐ消えるか長く残るかは、飛行機が通った高さの空気に、どれくらい水分があるかで大きく変わります。周りの空気が乾いていると雲の氷の粒は水蒸気に戻り、湿っていると粒が成長して雲が残ります。

ジェット機の排気に含まれる水蒸気が冷たい上空の空気と混ざると、小さな水滴ができ、すぐに凍って氷の粒になります。これが、よく見る飛行機雲の始まりです。

30秒でわかる

飛行機雲は、飛行機の後ろにできる細長い雲です。白く見える部分の主な材料は、液体の水ではなく小さな氷の粒です。

氷の粒が周りの空気から水分を受け取りやすいほど上空が湿っていると、粒は育ち、雲が長く残ります。反対に、乾いた空気の中では氷の粒が水蒸気に戻るため、飛行機雲は短い時間で薄くなります。

飛行機雲はどうやってできるの?

ジェットエンジンで燃料が燃えると、水蒸気を含む排気が出ます。高い空を飛ぶ飛行機の周りはとても冷たいため、排気が周りの空気と混ざって冷えると、水蒸気が小さな水滴になります。その水滴はすぐに凍り、氷の粒になります。

氷の粒は光を散らすので、私たちには白い線のように見えます。つまり、目に見える白い部分は排気の煙そのものではなく、主に氷の粒が集まった雲です。

なぜ、すぐ消えるものと残るものがあるの?

飛行機雲ができた後も、氷の粒は周囲の空気とやりとりを続けます。空気が乾いていると、氷は水蒸気に戻ります。氷が液体の水を通らず、直接水蒸気になる変化を「昇華」といいます。粒が小さくなると、飛行機雲はだんだん見えなくなります。

上空の空気が氷の粒を保てるほど湿っていると、粒は周りの水蒸気を取り込んで大きくなります。そのため飛行機雲が長く残り、ときには何時間も見えることがあります。

ここで大切なのは、地上の湿度と飛行機が飛ぶ高さの湿度は別だということです。地上が晴れて乾いていても、上空の空気が湿っていれば、飛行機雲が長く残ることがあります。

飛行機雲が広がるのはなぜ?

長く残る飛行機雲は、上空の風に運ばれます。風の速さや向きが場所によって少しずつ違うことや、飛行機が通った後に生まれる空気の乱れによって、細い線がゆがんだり、幅広く広がったりします。広がった雲が、自然にできた巻雲のように見えることもあります。

上空の空気は、高さや場所によって湿り具合が違います。そのため、飛行機雲が途中で途切れたり、飛行機が少し高度を変えただけで見え方が変わったりすることもあります。

翼の近くにできる白い筋も同じ?

飛行機雲の多くはエンジンの排気からできますが、翼の近くに短い白い筋が現れることもあります。翼の周りでは気圧が下がって空気が冷えることがあり、空気がとても湿っていると水滴や氷の粒ができるためです。このタイプはエンジン排気からできる飛行機雲より目立たず、起こる条件も限られています。

よくある勘違い

長く残る飛行機雲の水分が、すべてエンジンから出ているわけではありません。排気の水蒸気が雲のでき始めるきっかけになりますが、長く残る雲の氷は、飛行機が通った空気に元からあった水蒸気も多く取り込んで育ちます。

参考資料