HyperText Markup Language abbr element.
abbr要素は、省略語や頭字語を表します。title属性を指定すると、その値は、abbr要素で表された省略語や頭字語の正式名称を表すことになります。他の要素で title属性を使った場合とは意味が違いますので、注意してください。
abbr {
text-decoration: dotted underline;
}
abbr 要素のマークアップ例
<p><abbr title="HyperText Markup Language">HTML</abbr> を使ってホームページを作ってみましょう。</p>
abbr 要素のマークアップ例のサンプル
HTML を使ってホームページを作ってみましょう。
このようにマークアップすることで、"HTML" という単語は "HyperText Markup Language" の頭字語であることを、セマンティクスとして伝えることができるようになります。
ほとんどのブラウザでは title属性が指定された abbr要素にマウスカーソルを当てると、ツールチップとして title属性に指定された値が表示されます。
HTML4.01 では、頭字語と省略語のために acronym要素という要素も規定されていました。
頭字語とは、頭文字だけを並べて、それがあたかも 1つの単語であるかのように発音されるようなものを表します。例えば、NATO(ナトーやネイトウ)や LAN(ラン)などです。このような頭字語には、acronym要素でマークアップするのが良いとされてきました。
また、省略語とは、単に省略した表記にも使われるものを表します。例えば、bldg. という表記は building の略記です。このような省略語には、abbr要素でマークアップするのが良いとされてきました。
しかし、HTML4.01 では、それらの違いについては区別することを強要していません。頭字語や省略語に、acronym要素と abbr要素のどちらを使っても良いことになっています。これらの区別については、Web制作者の判断に委ねられています。
そのため、これまで、acronym要素と abbr要素の区別については、様々な議論がなされてきました。また、Web制作の現場では、その判断に悩まされてきました。
しかも、たとえ、HTMLのセマンティクスとして、これらを区別できたとしても、アクセシビリティ上、さほど大きなベネフィットが得られるわけではありません。
HTML5では、このような現実を踏まえ、acronym要素を廃止し、abbr要素に統一しています。そのため、acronym要素にするべきか、abbr要素にするべきかについて悩む必要はありません。