HTML の新しいバージョンがリリースされるたびに新しいマークアップが導入されていますが、コンテンツの意味に直接関連する新機能がこれほど追加された事は過去に一度もありませんでした。
HTML5 と旧来のマークアップとの違いのポイントをまとめると、次の 3つとなります。
HTML5 では、新たにコンテンツモデルという概念が導入されました。これは、HTML4 におけるブロックとインラインという概念に置き換わるものです。
コンテンツモデルとは、要素をグループ化するもので、それぞれのグループには名前が付けられています。その各グループでは、そのグループに属する要素には、どんなコンテンツを入れても良いのかが規定されます。
このコンテンツモデルの規定に従ったマークアップをしないと、規定準拠とならないので、マークアップの際には十分に気をつけなければいけない概念です。
これまでアクセシビリティについては、HTML4 の仕様で細かく規定されていませんでした。HTML5 では、このアクセシビリティに配慮した規定が随所に見られます。
HTML5 では、いくつかの要素が新たに導入されました。section 要素、hgroup 要素などのような文書構造やセマンティクスに関係する要素だけでなく、video 要素や audio 要素などマルチメディア対応の要素や、、図形を描画するための canvas 要素など、API の利用を前提とした要素が追加されました。
さらに、削除された要素もあります。主に、見え方を支持するだけの要素が廃止対象となりました。big 要素や center 要素や font 要素などが該当します。
そして、意味が変更された要素もあります。これまで見え方を指示するだけだった要素に、新たに特定のセマンティクスが与えられました。i 要素や b 要素などです。
この他、文字エンコーディングの指定方法、DOCTYPE の指定方法、MathML や SVG の扱いなどが変更されています。