HTML
HyperText Markup Language 5 cite element.
cite 要素
cite 要素は、引用元のタイトルや作品名を表します。人名には使ってはいけません。例えば、文章の中で、ある著名な小説のタイトルと著者を引き合いに出すとしましょう。その場合、cite 要素でマークアップできるのは、小説のタイトル部分だけとなります。
cite 要素のマークアップ例
<p><q>吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。</q>、というフレーズはみなさんよくご存じの事だろう。そう、夏目漱石の処女小説 <cite>吾輩は猫である</cite> の書き出しだ。</p>
cite 要素のマークアップ例のサンプル
吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。
、というフレーズはみなさんよくご存じの事だろう。そう、夏目漱石の処女小説吾輩は猫であるの書き出しだ。
cite 要素と q 要素の違いに注意してください。これらの要素名の元となった citetion と quotation という単語は、いずれも日本語にすると "引用" になってしまうため、これらが混同して使われるケースが見受けられます。引用元のタイトルには cite 要素を、引用文には q 要素を使ってください。
cite 要素の概要
- カテゴリー
- フロー・コンテンツ
- フレージング・コンテンツ
- コンテンツ・モデル
- フレージング・コンテンツ
- 利用可能な場所
- フレージング・コンテンツが期待される場所
- 開始タグ
- 必須
- 終了タグ
- 必須
- 要素固有のコンテンツ属性
- なし
- 標準的なスタイル
-
cite { font-style: italic; }
賛否両論の cite 要素
HTML4 では、cite 要素の定義が曖昧でした。引用元というセマンティクスは与えられていましたが、具体的にどこまでをマークアップして良いかについては、はっきりしませんでした。
例えば、"夏目漱石の「坊ちゃん」" の場合、このフレーズすべてを cite 要素に入れるべきか、それとも、"夏目漱石" と "坊ちゃん" のそれぞれを cite 要素に入れるべきか、それとも、"坊ちゃん" だけを cite 要素に入れるのか、についての判断は、Web 制作者に委ねられてきました。
HTML5 仕様のエディタであるイアン・ヒクソン氏は、当初、HTML4 で規定された定義のままであれば、この要素は HTML に入れる価値がないと考えていたようです。しかし、ウェブ実態調査の結果、予想以上にこの要素が使われていることが分かりました。そして、後方互換性を考えると、HTML5 で廃止するのは難しいと判断したようです。
最終的に、cite 要素は、作品名だけに限定し、人命には使わないという形で HTML5 に残ることになりました。つまり、この要素の用途が限定され、明確になったのです。