なぜ鳥はV字型に並んで飛ぶの?
まず答え
V字型の後ろ側を飛ぶ鳥は、前の鳥の翼がつくる上向きの空気の流れを利用できます。空気から少し助けを受けるため、飛び続ける負担を減らせると考えられています。ペリカンを調べた研究では、群れで飛ぶと心拍数が下がることも確かめられました。
翼の動きが、空気の流れをつくる
鳥は翼で空気を下へ押し、体を上へ支えます。そのとき、翼の先では空気が渦を巻き、鳥の後ろに上向きや下向きの流れができます。上向きに動く空気の流れは「上昇流」と呼ばれます。
少し横に並ぶと、上昇流を使いやすい
後ろの鳥が前の鳥の真後ろではなく、少し横へずれて飛ぶと、翼の先の近くにできる上昇流を受けやすくなります。前の鳥が羽ばたいてつくった流れを、後続の鳥が飛ぶ助けにするのです。鳥は飛びながら位置を保ち、羽ばたきのタイミングも調整します。
研究でわかったこと
2001年の研究では、編隊を組んで飛ぶよう訓練された大型のペリカンを調べ、心拍数をエネルギー消費の目安として測りました。群れで飛ぶと、単独で飛ぶときより心拍数が下がることが観察され、編隊飛行で負担が軽くなる可能性が示されました。
2014年には、ホオアカトキの群れの位置と羽ばたきを調べた研究が発表されました。V字型で飛ぶ鳥は、前の鳥の翼がつくる上昇流を利用できる位置に並び、羽ばたきの動きも合わせていました。真後ろを飛ぶ場合は羽ばたきのタイミングが反対になり、下向きの流れの影響を小さくする動きかもしれないと研究者は説明しています。
すべての鳥に当てはまる?
これらの研究が調べたのは、特定の種類の鳥や飛び方です。どの鳥もV字型で飛ぶわけではなく、どの状況でも同じだけ楽になると確認されたわけでもありません。V字型は、前の鳥がつくる空気の流れを後ろの鳥が利用する方法の一つです。