自然

なぜフクロウは首を大きく回せるの?

まず答え

フクロウは、目を動かせる範囲が小さいぶん、頭を回して周りを見ます。首の骨や血管のまわりには大きな動きを支えるつくりがあり、首の一か所だけでなく、いくつもの部分を使って回しています。

首を左右に回す様子を見る

フクロウが止まり木にとまったまま、頭を横から後ろへ向ける様子が見られます。首の動きの一例で、回転角を測る研究映像ではありません。動画: James Lamb「Owl turns head 180+ degrees」(YouTube)。

目の代わりに、頭を動かす

フクロウの目は、頭の中のくぼみにほとんど固定されていて、人の目のようには動きません。目だけで横を見にくいため、見たい方向へ顔ごと向けます。頭を大きく回せることは、止まり木にいながら周囲を確かめるのにも役立ちます。

首のいくつもの部分で動きを分ける

首は、一本の棒のように一か所だけで曲がるわけではありません。生きたメンフクロウを調べた研究では、首の下のほうは主に横へ傾いたり、ねじれたりし、上のほうは左右を向く動きに大きく関わりました。真ん中の部分の動きは、調べた個体では比較的小さくなっていました。場所ごとに違う動きを組み合わせることで、頭を広い範囲へ向けられます。

血管にも動きに合わせた余裕がある

首を大きく回すと、脳へ血液を運ぶ血管にも影響がありそうです。死んだフクロウの体をCT画像や解剖で調べた研究では、首の骨の近くに血管が動くための空間があり、血液の流れを保つ助けになりそうなつながりも見つかりました。ただし、これは体のつくりから考えられる説明で、生きたフクロウの血流をあらゆる角度で直接測った結果ではありません。

「270度」はすべてのフクロウの決まりではない

「フクロウは首を270度回せる」という数字はよく紹介されます。270度は、一周(360度)の4分の3にあたります。首が一周するわけではありませんし、どの種類や個体にも当てはまる限界値とも言えません。首の動きを調べた研究の写真には、生きたメンフクロウが体に対して頭を左へ約180度向けた姿が示されています。ただし、これは最大角度を測った結果ではありません。標本を使った測定や立体モデルでは、柔らかい組織の影響を含まない場合があるため、生きたフクロウが自然に動ける角度と同じとは限りません。

参考資料