科学

なぜレシートの文字は時間がたつと消えるの?

まず答え

多くのレシートは、熱で色が変わる「感熱紙」に印刷されています。印刷したあとに熱や光を受けたり、表面がこすれたりすると、文字や紙の色が変わることがあります。文字と紙の色の差が小さくなると、文字が消えたように見えます。

感熱紙に熱で点を印刷し、熱や光などで紙の色が変わり、文字と紙の色が近づいて読みにくくなる流れ
印刷のしくみと、保管中にレシートが読みにくくなる流れ

文字はどうやって印刷されるの?

レシートでよく使われる方法は「直接感熱方式」です。プリンターが感熱紙の表面を小さな点ごとに熱します。熱を受けた部分が黒っぽくなり、点の集まりが文字やバーコードになります。この方式では、インクやインクリボンを使いません。

なぜあとから読みにくくなるの?

印刷後も、感熱紙の表面は周りの環境の影響を受けます。たとえば、次のようなことが起きます。

  • 熱:強い熱で、文字のない部分まで色づくことがあります。
  • 光:直射日光や強い照明に長く当たると、紙や印字の色が変わることがあります。
  • こすれや傷:印字面が傷み、文字やバーコードが読みにくくなることがあります。
  • 水:ぬれると、紙や印字面が傷むことがあります。
  • 周りの物:一部の薬品や、柔らかいプラスチック製品に含まれる成分が紙に影響することがあります。

文字が薄くなるだけでなく、文字のない部分が濃くなることもあります。どちらの場合も文字と紙の色の差が小さくなり、読みにくくなります。文字が読める期間は、紙の種類や保管場所によって変わります。

すべてのレシートが同じ方式なの?

いいえ。ここで説明した直接感熱方式のほかに、熱でリボンのインクを紙やフィルムへ移す「熱転写方式」もあります。また、感熱紙でも、熱や光への強さは製品によって異なります。熱を使う印刷物がすべて同じように変化するわけではありません。

レシートを保管するときは?

  • 暖房器具の近くや車内など、暑くなる場所を避ける。
  • 直射日光を避け、強くこすったり、水にぬらしたりしない。
  • 一部の薬品や柔らかいプラスチック製品に直接触れないようにする。
  • 大切な内容は、読めるうちに写真やスキャンでも残す。

申請や返品に使う場合は、写真だけでよいか、紙のレシートが必要かを提出先やお店に確認しましょう。

参考資料