科学

なぜシャワーカーテンは内側にふくらむの?

まず答え

シャワーから出る水滴が周りの空気を動かし、カーテンの内側に循環する空気の流れを作るからです。その流れによってカーテンの内側の圧力が外側より低くなると、外側の空気が軽いカーテンを内側へ押します。

30秒でわかる

シャワーの水は、下へ落ちるだけではありません。水滴と空気の間には摩擦や抵抗があるため、水滴が周りの空気を引きずるように動かします。すると、シャワーの周りに空気の循環が生まれ、その中心付近の圧力が下がります。カーテンの外側の圧力のほうが高くなると、薄いカーテンはシャワーのほうへ押されます。

空気にも圧力がある

空気は見えませんが、たくさんの分子が動いていて、壁やカーテンを押しています。この押す力を、空気の圧力といいます。カーテンの両側で圧力が同じなら、カーテンは大きく動きません。

しかし、片側の圧力が少し低くなると、反対側からの押す力が勝ちます。「カーテンが水に吸われる」と感じても、実際には外側の空気がカーテンを押す力が大きくなっている、と考えると分かりやすいでしょう。

水滴が空気を動かす

シャワーヘッドから出た水滴は、空気の中を進みます。水滴が空気に力を伝えると、周りの空気も水滴と同じ方向へ動き始めます。水滴はシャワーを出てすぐに消えるわけではないので、この空気の動きはシャワーが続く間、何度も作られます。

研究用の流体シミュレーションでは、シャワーの水滴がカーテンの近くに循環流、つまり渦のような流れを作る様子が示されました。渦の中心に圧力の低い部分ができると、カーテンを内側へ動かす力になります。

お湯だから起こるの?

お湯は原因の一つになることがあります。温められた空気は上へ動きやすく、下のほうから周囲の空気が入り込む流れを作ることがあるからです。

ただし、お湯だけが理由ではありません。冷たい水を使ってもカーテンが内側へ動くことがあります。水滴が空気を動かす効果や、浴室の形、換気、ドアの開き方なども関係するためです。

ベルヌーイの法則だけではない

「速く動く空気の圧力は低くなる」というベルヌーイの法則で説明されることもあります。これは流体の動きと圧力を考えるうえで役立つ法則です。

しかしシャワーでは、水滴と空気が一緒に動き、浴室の壁やカーテンの位置も影響します。そのため、ベルヌーイの法則だけを当てはめれば、いつでも同じように説明できるわけではありません。実際の動きは、空気の循環、水滴から空気への力の伝達、温度差、換気などが組み合わさったものです。

家によって動き方が違う理由

この力はそれほど強くありません。薄くて軽いカーテンなら動きやすい一方、厚いカーテンや裾に重りがあるカーテンは動きにくくなります。水の勢いが弱いシャワーヘッドでは、ほとんど動かないこともあります。

また、浴室の広さ、カーテンと水流の距離、換気扇、ドアや窓の開き方も空気の流れを変えます。同じ種類のカーテンでも、場所が変わるとふくらみ方が違って見えるのはこのためです。

よくある勘違い

「熱い空気が上へ逃げるから、必ずカーテンが内側へ動く」という説明だけでは不十分です。お湯の温度が低くても起こる場合があり、シャワーの水滴が空気へ伝える力が重要だからです。また、「水がカーテンを引っぱっている」わけでもありません。主に空気の圧力差がカーテンを動かします。

参考資料