JavaScript

単項式

 最も単純な式は、ほかの式を含まない式です。このような式を単項式と呼びます。JavaScript での単項式としては、定数値(リテラル)、JavaScript のキーワード、変数参照があります。

 リテラルとは、プログラム中に直接埋め込まれた定数値です。以下に例を示します。

1.23
// 数値リテラル。

"hello"
// 文字列リテラル。

/pattern/
// 正規表現リテラル。

 JavaScript での数値リテラルの書式は「数値」を参照してください。文字列リテラルについてと、正規表現リテラルの書式の概要については、「テキスト」を参照してください。

 JavaScript の予約語には、単項式として使えるものもあります。以下に例を挙げます。

true
// 論理値に true の値に評価される。

false
// 論理値の false の値に評価される。

null
// null 値に評価される。

this
// 「現在の」オブジェクトに評価される。

 true、false、null については、「論理値」、「null と undefined」を参照してください。ほかのキーワードと異なり、this は定数ではありません。プログラム中のさまざまな場所で、さまざまな値に評価されます。this キーワードは、オブジェクト指向プログラミングでよく使われるキーワードです。メソッド本体中で this を使って、メソッドが呼び出されたオブジェクトを参照できます。this について詳しくは、別ページにて説明予定です。

 最後に紹介する単項式は、変数参照です。例をいくつか示します。

i // 変数 i の値に評価される。 sum // 変数 sum の値に評価される。 undefined // undefined はグローバル変数。null と異なりキーワードではない。

 プログラム中に識別子が現れた場合、JavaScript は変数と認識し、値を検索します。該当する名前の変数が存在しない場合、式は undefined 値に評価されます。ただし、ECMAScript 5 の strict モードでは、存在しない変数を評価しようとすると ReferenceError 例外がスローされます。