HyperText Markup Language kbd element.
kbd要素は、ユーザーの入力を表します。通常は、ユーザーのキーボードから入力された文字をマークアップする場合に使います。ただし、この要素はキーボードからの入力に限定しているわけではありません。コンピュータ・システムへの入力を表すのであれば、その手段を問わず、この要素を使うことができます。
この要素は、それをどこで使うかによって、意味が変わってきます。
kbd {
font-family: monospace;
}
samp要素の中で kbd要素を使った場合、その kbd要素のコンテンツは、ユーザーが入力した文字がコンピュータ・ディスプレイなどに表示されたものを表すことになります。これをエコーと言います。
通常、Windowsのコマンドプロンプトや UNIXのシェルにコマンドを入力すると、その入力した文字が表示されます。これは、コンピュータが、入力された文字を、わざわざディスプレイに出力する処理を行なっているために、その文字が表示されるわけです。つまり、コンピュータがエコーしているわけです。
したがって、もしコマンドプロンプトやシェルの状態をマークアップしたい場合は、そこに表示されたものは、たとえユーザーの入力がきっかけだったとしても、コンピュータの出力と見なし、全体を samp要素でマークアップします。さらに、その中で、ユーザー入力の部分だけを kbd要素でマークアップします。
<pre><samp>C:/Users/waste><kbd>nslookup example.jp</kbd>
サーバー: ns.example.jp
Address: 192.168.0.254
権限のない回答:
名前: example.jp
Address: 192.168.0.34</samp></pre>
C:/Users/waste>nslookup example.jp サーバー: ns.example.jp Address: 192.168.0.254 権限のない回答: 名前: example.jp Address: 192.168.0.34
逆に、kbd要素の中で samp要素を使った場合、その kbd要素は、システムの出力に基づいた入力を表すことになります。例えば、メニュー項目の呼び出しなどです。
<p>処理を継続したい場合は「<kbd><samp> 続ける </samp></kbd>」を、処理を終了したい場合は「<kbd><samp> 終わる </samp></kbd>」をタッチしてください。</p>
処理を継続したい場合は「 続ける 」を、処理を終了したい場合は「 終わる 」をタッチしてください。
この例は、タッチパネルを採用したコンピュータの説明を想定したものです。ここで言っている「続ける」や「終わる」は、キーボードのキーではありませんが、ユーザーがコンピュータに指示するための入力の一種です。そのため、まず外側を kbd要素でマークアップします。しかし、「続ける」や「終わる」はキーボードのキーではありません。コンピュータが用意(出力)したものです。そのため、kbd 要素の中で samp要素を使うのです。
kbd要素と samp要素の入れ子を逆にしてしまうと、セマンティクス上、別の意味(ユーザーの入力に対するエコー)になってしまいますので、注意してください。
kbd要素を kbd要素の中で使った場合、外側の kbd要素はキー入力全体を表し、内側の kbd要素は、個々のキー入力を表します。
<p>Windowsでは、<kbd><kbd> Alt </kbd>+<kbd> Print Screen </kbd></kbd>を押すと、アクティブ・ウィンドウの画面キャプチャがクリップボードに入ります。</p>
Windowsでは、 Alt + Print Screen を押すと、アクティブ・ウィンドウの画面キャプチャがクリップボードに入ります。